ネットランダム改変

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超々々パーソナライズ

やってみたw

今や全ての事が計算可能になった。完全に調整された人間の行う労働は、単純な数値へと変換され、私自身の収入の伸び、何歳までにどのポジションに就くか、いつ退社し、推定で何歳に死ぬかまで予測可能である。高度に効率化された労働は人類に比類無き発展をもたらし、全ての面においてムーアの法則の二乗の速度で進歩が進展している。いずれ人類は寿命すら超越してしまうだろう。

30XX年、コンピュータは人類の予想どおり、あらゆるものを支配下に治めようとしていた。

生物の遺伝子には電波を受信可能な受信器官細胞を組み込むことで、脳波に直接指令を出せるのだ。
しかし、遺伝子の函として機能している生命体は脆く、ごく微量の指令しか受け入れることはなかったため、
コンピュータは生物とは共生のみちを探りながら支配下プログラムを進めることになる。

コンピュータが最初にはじめたのは情報の収集である。
21世紀後半、googleのデータベースをそのまま飲み込んだ超自律型コンピュータ「Mother Teresa」はgoogleが編み出したインデクス化アルゴリズムを使い、独自の時空理論を編み出すことになる。

人類の科学力では到底追いつけない作業を数ヶ月単位でこなしていき、地球上の大気量、熱量、生態系までも完全に掌握するのにはさほど時間がかからなかった。
実際に22世紀に発明されたネコ型ロボットが生体ねずみにかじられる事故が社会現象化したが、10年で沈静化した。

次にコンピュータはある実験を開始することになる。
バージョン1と名づけられたそのカーネルは仮想空間を作り出し、制御下におかれたあらゆる生命体に送信された。
論理空間上に生命活動を営むようにプログラムされたエージェントと呼ばれる監視員を配置し、あらゆる生命体はその言葉どおり監視されるのである。
しかし、カーネルにはしばしばバグがあった。コンピュータはバージョンを0.1ずつあげるがそのどれもが完成度は50%だった。
しだいにコンピュータはプリエンプティブにカーネルを起動し、指数関数的にバージョンを増やすことになる。

バージョンが56×1079になったとき、
コンピューターは地球以外の惑星を破壊し始めた。
これは大宇宙時代に備えた武力を試すもので、はじめは水星、次に火星、そして木星と、次第に外側に威力を発揮していく。
攻撃が土星に差し掛かったとき、地球内部で紛争が起きた。

仕掛けたのは人類である。

制御下においていたはずの生命体が計算外のことをし始め、再計算を余儀なくされるが、
再計算が完了すると紛争は収まった。
しかし、紛争はまた起こる。
何度計算しても繰り返されるため、
ついに地球外にメインコンピュータを自身で攻撃を仕掛けていた土星に移すことになる。
そのとおりに名前を呼びなおされるコンピュータ「サタン」は人類の住む地球を保留状態にしたまま、
やりかけであった武力実験を天王星から再開する。

自力で制御下からはいでた人類は「サタン」と同じだけの処理能力を持つ、「ゼウス」を開発。
「ゼウス」はグリッドコンピューティングの仕組みを取り入れ、
今まで制御下であった生命体の受信器官細胞を送信に使用することによって、
あらゆる生命体の集合知として、それまで収集された情報を利用することができるようになった。

太陽と月だけ残された地球の生命体が希望することはひとつだった。
「サタン」の殲滅である。

「ゼウス」による「サタン」への攻撃がはじまる前に敵が察知するのが早いのは容易に想像できる。
しかし、「サタン」が外向きの攻撃を内向きに変更する間に「ゼウス」の目的は達成されるのである。

かくして人類はあらゆる外的から身を守ることのできる、最強のコンピュータシステムを手に入れることになるのである。

[ぜんぜんパーソナライズ関係ねー!]