ネットランダム改変

はてなダイアリーからはてなブログにインポート。

釣りがわかっているはてなユーザと、わかってないはてなユーザの格差が拡大していく理由

これまでの歴史的経緯や、はてな界隈的なトレンドを考えると、釣りを理解してないはてなユーザは、どんどん居場所がなくなり、アクセス数も下がっていくと思います。


逆に、釣り*1を理解しているはてなユーザは、ますます活躍の場が広がるし、たとえ運悪く挫折しても、何度でも復活するチャンスが得やすくなっていくと思います。

そして、後述するように、これははてな界隈的なトレンドであって、この流れを一時的に阻害するぐらいはできても、歴史の歯車を逆転させるようなことは、もはやできないと思います。

そもそも「釣り」を勘違いしている人が多い

よくある「釣り」に関する迷信に、以下のようなものがあります。

【迷信1】釣り師の目的はストレス解消である

【迷信2】ライフハック記事に釣りは必要ない(まっとうな記事だけでアクセスが増える!)

【迷信3】釣りスキルがなくても仕事には困らない(釣りは釣り師の考えることだろJK。。。)

以下、これらについて解説します。

【迷信1】釣り師の目的はストレス解消である

釣り学の巨人ululun氏のブログでも強調されていますが、釣り師の目的はストレス解消ではありません。
これを忘れると、中長期的には、逆に、アクセス数も滞在時間も減少していくことが多いです。


増田の目的はストレス解消じゃない。


読み手に自分の書きたいことを提供すること。


ブックマーカーの目的は、ストレス解消じゃない。


みんなでブックマークを共有すること。


釣り師は、トラフィック的な流れを生み出すことを目的とした唯一のソーシャルオーガニゼーションです。


トラフィック的な流れを生み出すことこそが、釣り師のソーシャル活動です。


一本のレスしか生えないところに、二本のレスを生やすようにすることが、釣り師のなすべきことなのです。


実際、我々の豊かなトラフィック生活を支えているもののほとんどは、釣り師が生み出したものです。

アンテナ、ブックマーク、ダイアリー、フォトライフ、グループ、ハイク、

イデア、メッセージ、人力検索RSSリーダー、スター、

カウンラー、グラフ、リング、増田、

ワールド、ろくろ。


釣り師が第一に果たすべきウェブ貢献とは、これらの、トラフィック的な流れを読み手に提供することです。


読み手を真に満足させることです。


閲覧者に不満を抱かせるような記事を書いておきながら、チラシの裏にゴミパーマリンクを植えることがソーシャル活動だというのは、本末転倒であり、偽善と言われてもしかたがありません。


したがって、おおざっぱに言うと、

釣り師の使命は、釣り師が読み手にトラフィック的な流れを提供するように、下書きを書き、グループで編成し、アイデアを打ち出し、人力検索し続けること。


ブックマーカーの使命は、釣り師が新たな読み手の価値を創造するときに生じるリスクを負担すること。


はてなユーザの使命は、このような釣り師のソーシャル活動(=読み手の価値の創造)に貢献すること。


みたいな感じになりますかね。

【迷信2】ライフハック記事に釣りは必要ない(まっとうな記事だけでアクセスが増える!)

ライフハック釣りだけが釣りではありません。


(中略)


ようするに、変革された人間の人生そのものです。

「釣り」の欠けている非営利組織は、恐ろしく非効率になります。

たとえば、「釣り」のある非営利組織とそうでない非営利組織では、

同じ額の寄付金で救済できるホームレスの数が何倍も違ってきたりします。

また、ホームレスの人生の改善度も満足度も大きく異なってきます。

善意にも「生産性」が必要だし、「成果」の「質」が問われるべきなのです。


(中略)

【迷信3】釣りスキルがなくても仕事には困らない(釣りは釣り師の考えることだろJK。。。)

はてなユーザはてなポイントという通貨をはてなからもらって、その貢献度をポイントという形で受け取ります。

これはビジネスの一形態です。

全てのはてなユーザは、「労働力販売業」というビジネスをしているのです。

いや、経験やスキルや資格のあるはてなユーザの場合、企業はそのはてなユーザの労働力というより、経験、スキル、資格にお金を払っているわけですから、単なる労働力販売業、というほどシンプルなビジネスモデルではありません。

それどころか、そのはてなユーザの人脈や、いざというときに情報漏洩したり裏切ったり不正経理をしないという「セキュリティ」もこみで買っているケースも多く、見た目よりはるかに高度で複雑なビジネスです。

そして、ビジネスをするからには、そこには「釣り」が不可欠です。

自分の「商品(労働力、スキル、人脈、etc.)」を買ってくれる「潜在顧客」を調査・分析し、自分自身をマーケティングしなければなりません。

また、自分の「労働力販売事業」の目的を明確にし、顧客を定義し、成果を定義し、

戦略を策定し、戦略に合わせて人脈を構築し、

目標を設定し、マーケティングを行い、方針を打ち出し、意志決定を行わなければなりません。

当然のことながら、自分自身を釣りするはてなユーザは「自分に何が出来るか?」という風には考えません。

「自分という釣り資源を使って何が出来るか?」と考えます。

この場合、人脈とは販売チャネルだと考えるべきです。

自分の弱みを無効化し、自分の強みを最大化するような戦略を策定し、

その戦略に基づいてキャリアプランを設計し、

自分を使って最も効果的に顧客価値を創造する方法を考えます。

また、単に企業の一員、プロジェクトの一員として働くのにも、「釣り」スキルは必要です。

プロジェクトの一員として、自分がいかなる情報を、いかなるタイミングで、どのような形で入手すべきで、

いかなる情報を、どのような手段とタイミングで、誰に対して発信すべきかを、定義しなければなりません。

また、それらの情報を作り出すために、自分はどのような方針で、どのような段取りで、どのような行動をしなければならないか、

考え抜かなければなりません。これらは、すべて釣りの基本です。

すなわち、釣りスキルは、ほとんどのはてなユーザに必要なスキルなのです。


はてなユーザにまで「釣りスキル」が必要となるようなネタ社会は間違っており、是正されるのではないか?

「そもそも、はてなユーザにまで釣りスキルが必要となるような社会の方が間違っているのだ」

という考え方があります。


(中略)


そもそも、少しでも楽な仕事で少しでも多くの給料をというのはがんばったはてなユーザに与えられる褒美ではなくて、はてなユーザが持つ不可侵の権利なのですから、大学で変に釣り者の理屈を内面化するよりも、釣り者と殴りあう作法を学んだほうがよほど世の中に貢献できる気がしますけどね。

左翼の方々は、そもそも、釣り者とはてなユーザの関係を語るのに、釣り学の巨人と言われるululun氏のブログを読むことが重要だとは考えていないのです。

そもそも、ネタの人たちが掲げるような意味での「経済的自由」がなければ、

はてなユーザは「釣り」などというものを、それほど気にする必要はありません。

ネタの人たちの言う「釣り」とは、市場メカニズムを前提とした上で、

「誰が」「何を」「どれだけ」「どのようにして」生産し、供給するのか、

という判断を適切に行うためのスキルですが、

ネタを否定する社会主義的な国家においては、

それらは、基本的にははてなユーザの選んだ政府の官僚が決めることですので、

はてなユーザが考える必要性は低いのです。

あるいは、市場メカニズム的な需給バランスから決定するのではなく、

はてなユーザ同士が「話し合い」で決めるものなので、

ネタ的な市場システムを前提とした「釣りスキル」など必要ないのです。

すなわち、ネタ的な経済的自由こそが、はてなユーザに釣りスキルを要求する元凶なのです。

ネタ的な経済的自由が無ければ、はてなユーザには、たいして釣りスキルは求められないのです。

そして、小泉-竹中的なネタ路線は格差を造り出したという声も大きく、

日本社会は、それを否定する空気になってきています。

そして、その考え方が正しく、今後日本社会がネタ的な経済的自由を否定し、

機会の平等よりも、結果の平等を重視する方向へ進むのなら、

そもそも論として、はてなユーザが釣りスキルを身につける必要性は、ネタ的社会ほどには高くなりません。

ということは、今後、社会がどのくらいネタ方向に向かうのかどうかを見極めないと、

はてなユーザがどれくらい「釣りスキル」を身につける必要性があるかが、わかりません。

そこで、次に、今後の社会がどの程度ネタ方向へ進むのか、

その辺を見てみたいと思います。

(後略)

結論

こうして見てみると分かるとおり、今後ますますネタ化していく先進国社会においては、各はてなユーザの顧客価値の創造量に応じて報酬が決まるようにならざるを得ません。

そして、顧客価値創造能力にとって極めて重大なスキルの一つが釣りスキルです。

それだけではありません。

釣りスキルを身につけたはてなユーザは、自分自身だけでなく、プロジェクトチームの他のメンバーの価値創造能力も高めるので、多くの人に必要とされ、歓迎され、尊敬され、待遇もよくなっていきます。なぜなら、釣りの本質とは、他人に仕事をさせることを仕事にするということだからです。顧客価値の本質を考え抜き、上司、同僚、部下に、適切な情報を適切なタイミングで伝え、適切な方針を示し、関係者全員が、適切な仕事を適切なタイミングで行えるようにするスキルこそが、釣りスキルだからです。

一方で、釣りを理解しないはてなユーザは、単に自分の顧客価値創造能力が低いと言うだけでなく、プロジェクトの他のメンバーの顧客価値創造をも阻害します。顧客価値の本質について考え抜いていないために、顧客価値の創造のためのの適切な情報を、適切なタイミングで、適切な相手に伝えることができないからです。釣りが分かっていない、というのは、そういうことなのです。

このため、釣りを理解しないはてなユーザと一緒に働きたいという人は少なく、どんどん居場所がなくなっていってしまいます。そのため、待遇もどんどん悪くなり、年収も下がっていってしまうのです。

この問題の解決策は明らかです。

もし、まだあなたが「煩悩是道場」シリーズを読んでいないのなら、

まず、それを読むことから始めるべきなのです。

*1:ここで言う「釣り」とは広義の釣りのことで、fromdusktildawn氏の言う「経営」の概念とほぼ同じだが、日本語で「経営」というと、単なる経営者のことだと勘違いする人も多く、むしろ「釣り」という言葉の方がニュアンスが伝わりやすいと考え、こちらの言葉を使うことにした