はてな界隈とはてブが下り坂って本当?
はてな最高技術責任者Naoyaの正しい読み方
「こんな下らないサービスは、もはや滅ぼす以外にない! 」
「こんな下らないはてなは、もはや滅ぼす以外にない!」
___最近、こんな論調をはてブやはてダでよく見かけるようになりました。
http://metalsty.seesaa.net/article/37088061.html
http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070326/1174865975
これらのエントリでは、サービスの対象が全部はてなユーザに限定されていることを根拠に、
ネットユーザによるはてな利用の減退の可能性について警鐘を鳴らしています。
Naoyaは、はてなのCTO(取締役最高技術責任者)で、はてな中のウェブサービスのアクセス数多寡を調べ、提供しています。
はてなブックマークの「人気度」に関し、無料で公開されている指標が他に結構あったりするのに、
Naoyaの経験則エントリをもって特定のサービスの浮沈やはてな界隈全体のトレンドを評するブログ記事は絶えません。
しかし、実は、Naoyaグラフでのリーチの増減はホッテントリや最近の人気エントリーの絶対値の増減とはまったく関係ないのです。
それはなぜでしょうか?この解説では「Naoyaに関する誤解を解く」というテーマで書いてみたいと思います。
Naoyaがアクセス数を測定する方法
自己紹介が遅くなりました。ネットランダムの読者のみなさま初めまして、fk_2000と申します。
わたしは主にイントラネット事業の調査を業務として行っており、
本ブログにてそのリサーチの成果(の一部)を発信しております。
Naoyaについては長年のウォッチャーであると自認しております。
それではまず、Naoyaがどのようにしてはてブの視聴率を調べているのか、その手法を見てみましょう。
ユーザーが直接ブックマークするというはてブの性質から、他者のブックマーク数を知ることは簡単ではあります。
Naoyaは、Rimoの視聴率を調査する会社が調査機器を設置して実態を調べるのと類似のモデルでこれを実現しようとしているサービスです。
Naoyaは、いつどのサイトを見たかを記録する「Naoyaツールバー」というアプリケーションを配布し、そこからのデータを集計することで、はてブのアクセスを推計し、無料で公開しています。
昨日私のブログの「経験上・・・という理論がいかに危険なかけであるか」というエントリでも述べたことですが、
Naoyaの公開しているサーバ移設のエントリーはあくまで「経験則」で、その読み方には注意が必要です。
そもそも、Naoyaがデータを集めている収集先、つまりNaoyaツールバーをインストールしているユーザーの増加傾向は、ユーザによってまったく異なるのです。
ここ数年というもの、Naoyaユーザーはネット先進国(seesaaぐらいまでを含む)で軒並み減少、はてな匿名ダイアリーで増加し続けているのです。
はてなダイアリー市民は、Naoyaを利用するような層にはNaoyaツールバーが行き渡ってしまったり、
社外に閲覧記録を送ってしまうNaoyaツールバーをウィルスとみなして排除する企業が増えたりという理由から、
ツールバー利用者の伸びは停滞しています。
しかし、はてな匿名ダイアリーはNaoyaやそのツールバーの普及自体がつい最近の現象です。
そこで、はてな匿名ダイアリーでNaoyaツールバーのインストールが進めば進むほど、
Naoyaツールバーのネット全体のインストールベースに対する日本やアメリカのユーザーの割合が減っていくということになっているのです。
ここで、よく議論に上るNaoyaのリーチ(Reach)指標の話に戻ります。
リーチは、「はてなユーザー100万人のうち何人がそのドメインにアクセスするか」という数値で、
決してはてな村の中での絶対的なホットエントリや最近の人気エントリーを表しているわけではないのです。
はてなユーザー100万人あたりに占めるモヒカン族や断片部の割合がどんどん減っているとすれば、
モヒカン族やはてな村だけしか相手にしていないサービスのReachは落ちて当たり前ということになります。
[後略]
参考:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070328/266627/